遥琉になにか嫌われるようなことを何かしたかと考えても、全然心当たりなくて。
全然分からなくて、しょっちゅうひとりで隠れて泣いたのを覚えてる。
離婚したばかりで身も心も不安定だったママの心配ごとを、これ以上増やしちゃダメだと思って、相談なんてしなかったし。
それから話さなくなって月日が流れ。
中1の秋。
たまたま、遥琉が当時の彼女とふたりきりで話しているのを聞いてしまったのが、極め付けだった。
『でも……幼なじみなんでしょ?聞いたよ。ふたりと同じ学校だった子に。遥琉くんと海風、すごく仲良かったって』
当時、同じグループだった女の子。
遥琉の初カノはその子。
この間話していたファーストキスもきっと彼女とだろう。
ふたりの会話にまさか自分の名前が出てくるとは思わなくて、ドキン大きく心臓が鳴って。



