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「え、幼なじみ?!」
授業一発目は幸いにも、数学の先生が出張ということで自習。
依茉ちゃんにゆっくりと遥琉との関係を話すチャンス!と思い、
手始めに、遥琉とは生まれた日も病院も住んでるマンションも同じ幼なじみだということを話せば、依茉ちゃんの声がクラス中に響いた。
「ちょ、依茉ちゃん声」
「お、おう、ごめんごめん」
可愛らしい顔になんとも似つかわしくない話し方に、好きが積もる。
「でも、海風そんな話一度も……」
「うん……ごめんね。依茉ちゃんが転入してきたとき、ちょうど私も遥琉のことは話したくない時期で」
「……そっか。どうしてか聞いてもいい?」
いつも基本的にふざけあってるからこういうしんみりとした空気になるのは初めてだけれど、
それでも、依茉ちゃんの顔が真剣そのもので、私のことを大切に思ってくれてるんだっていうのが伝わってきて胸がギュッとなる。
「うん。依茉ちゃんには話したい。つまんない話だけど聞いてくれるかな?」
私がそう聞けば、依茉ちゃんは「うん」と静かだけれど力強さのある声で返事をしてくれてから、
私の手をギュッと握ってくれた。



