「……遥琉、もういいでしょ」

「何言ってんの。俺の教室まで」

「はー?!教室って……」

校舎の中までこいつの隣を歩くとか、今以上に注目されちゃうじゃない。

遥琉に脅されて、しぶしぶ彼のカバンを持って校門前まで着いたけど、

登校中の生徒たちからの視線が痛い。

かなり注目の的だ。

女子からは特に、学校中、いや、今は学校の外からも一目置かれる存在の遥琉の隣に

地味な私がいるんだから、その見る目は明らかにいいようには映っていない。

現にさっき私たちを見ながら、女子生徒たちが「今までの子たちと雰囲気違くない?」なんて言っているのが聞こえた。

すみませんね、地味で。

遥琉が目立つのが悪いんだけど。