「知ってるのに請求してくるとか、どういう神経しているの」

「人のもの壊しといて知らんぷりってそっちこそどういう神経なの」

「そんなもの、正当防衛じゃ──────」

さらに言い返そうとしたら、遥琉の手が私の肩に置かれた。

「まぁまぁ、とりあえず最後まで聞いてよ」

「は?」

「お金で払えないのはわかってるよ。だから、身体で払ってもらう」

遥琉のセリフに、頭はハテナマークでいっぱい。

どういうこと……。

身体でって……もしかして。

いやいやいや。
遥琉は私のこと女として見てないじゃん。

中学の頃の嫌な記憶が思い出される。

『海風はただの幼なじみ。ほんとなんもないしこれからもなにもないから。そもそも女として見れないって』

そう言ったのは、たしかに遥琉の方だもん。

それが今更なんで、キスしてきたり、身体で払えなんて言ってきたりするんだ。

「……言ってる意味がわからないんですが」

「いずれわかるよ」

遥琉はそう言って、ニッと何かを企んだような笑みを浮かべた。