「えっ、何。俺に?」
「当たり前じゃん!誕生日なんだから!言っても今回は私だけじゃなくてパパの気持ちも入ってるの。一緒に選んだから」
「うわ、まじか……」
袋を受け取った遥琉はそのまま頭を抱えるようにした。
「反則だって。好きな子の父親からも一緒にもらうとかさ……」
「へっ……」
「海風のそばにいてもいいって、ちゃんとおじさんに認められたみたいで、無理……泣きそう……」
「いや泣かないでよ」
「……心、大号泣。ね、開けていい?」
そう遠慮がちに聞く遥琉が、餌を我慢できない子犬みたいで可愛い。
「うん」
と返事をすれば嬉しそうに丁寧に袋を開いて。
「っ、嘘、これっ……」
「ここのジャケットが遥琉の部屋にあったから、好きなのかなって」
「好きとかのレベルじゃない。もう俺の身体の一部みたいなところある」
「そんなに……」
「まって、これは嬉しすぎる……」
手に持ったそれをみて嬉しそうに空にかざすように見つめる遥琉。
メンズに人気のファッションブランドの、スマホケース。
良かった……喜んでもらえて。
「これつけておけば遥琉もそう簡単にスマホ落として割ったりしないんじゃない?」
「……っ、天才すぎない?」
「え、そこツッコむとこじゃ……」
遥琉にスマホ代を弁償しろと脅されてた日が懐かしくなる。
そのことをいじろうとしたのに、逆にノッできたから調子狂う。
「今日はベタ褒め攻撃するって決めてるから」
遥琉はそう言ってそのまま私の身体をふたたび腕の中に包み込んだ。
「……もう本当に本当に本当に、離してって言っても離さないから」
遥琉が耳元でささやくから耳がとたんに熱くなって。
かと思えばすぐに彼の身体が離れた。



