「へー、じゃ……」
いきなり遥琉がグッと身体を寄せてきて、私の耳元に口元を近づけた。
「外じゃなきゃいいの?」
「……っ!!もう、バカっっ!!」
そう言って彼の肩を強く叩く。
「そんな可愛い顔して言われても興奮するだけなんだけど。外だからやめてよね」
「っ〜〜!!」
なにも言えずにどんどん体中が熱くなるだけ。
ほんとこの男……!!
好きなのが悔しい。
「早くいくよ!!」
あの頃みたいに、また彼と手を繋いで歩いていることが、本当はものすごく嬉しくて。
繋がれたままの手にギュッと力を入れてから、私は遥琉を軽く引っ張るように歩き出す。
「え、うなじやば」
「遥琉っ!」
背中を向けて歩けばまた変なことをいうので振り返って叱ると、
「ハハッ。ごめんごめんッ」
今日一番の嬉しそうな笑顔で笑うから、こっちまで自然と笑いそうになって。
何だかんだ、遥琉が好きだと言う気持ちが溢れてしょうがない。



