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「うわー!人たくさんいるねー」
無事に花火大会の会場に着けば、周りは人で溢れかえっていた。
「はぐれるなよ〜海風」
「え、しょっちゅう迷子になってたの遥琉の方でしょ」
「いや……。わざと迷子になっていた、が正解だな」
顎に指を添えて真剣な顔で『考えるポーズ』をする遥琉。
その横顔が妙にかっこよすぎて腹立つ。
「意味わかんないし……」
「迷子になったら、海風、絶対俺のこと見つけて手繋いでくれたじゃん」
「……っ、」
絶対あの頃の遥琉は故意にそういうことできる器用な子じゃなかったけど、
私がいつも遥琉を見つけて手を繋いでいたことを覚えていたことに嬉しくなって、
恥ずかしくなる。
遥琉、付き合ってから平然とこういうこと言うからな……。
「今日は迷子になっても探してあげないからね!」
「フッ、だったら最初から繋いでおけばいい」
「えっ、ちょ、」
遥琉があんまりにもスマートにサラッと私の手に指を絡めてくるから、トクンと胸が跳ねて。



