「『遥琉くんが起こさなかったの?』って思わず聞いちゃって。だっておかしいじゃない?いつも仲良く帰ってくるのに、いきなり『海風が公園で寝ちゃったからおばさん起こしてあげて。俺は海風に会えないから。海風にはこのこと言わないで』って泣きながら」
嬉しそうにニヤニヤしながらママが続ける。
「遥琉くん、目から大粒の涙ポロポロこぼしながら言ったのよ『ごめんなさい、俺は海風の最高の友達になれなかった、ごめんなさい』って何回も。ママ、勘がいいから察したよね。喧嘩したのか聞いたけど首を振るだけだったし」
「えっ……」
勘がいいから、って自分で言うかね。
ママのそれは置いておいて、当時の遥琉の話がめちゃくちゃ可愛すぎて、私も自然と顔がほころぶ。



