「フフッ」
「え、なんで笑うの?」
「ううん、フッ、ごめん、いや、海風の成長に感動しているのよ。ありがとう。でもママは、海風の母親やってる毎日が今はすごい幸せだから。他はなにもいらないかな。今まで寂しいと思ったことないかって言われたらそりゃ一人で育てることに不安もあったけど、でも、ほら、陽子ちゃんもいたし話聞いてもらえる環境があったから」
ママの言葉にほっこり温かい気持ちになって。この人の娘で本当に良かったって思う。
しかもママ、私と遥琉が話さなくなってからも陽子さんと連絡とっていたんだな。
遥琉と私があんな風になって、ママは私には陽子さんとの話しをしてこなかったから、びっくりする。
「陽子さんと連絡とってたんだ。遥琉とのことで、ママに気を使わせてしまったよね」
「いや、気なんか全然使ってないから」
「えっ……」
「遥琉くんに言わないでって言われたからずっと言わないでいたけど、もう大丈夫よね、話しても」
遥琉に口止めされてたことってこと?
そんなことがあったなんて初耳だ。



