みだらなキミと、密室で。


捨てられたんだと思ってた。
それは遥琉の時も同じで。

でも全然違った。

パパも、私のことをちゃんと大事にしていて、ママにもちゃんと申し訳ないって思ってた。

そんな本心を聞けて、本音でぶつかって、それだけでもう充分だ。

優しいパパが今、こんな素敵な人と一緒になってくれて、本当によかったって心から言える。

「っ、よかった。奈央さんとお話できて。失礼なこと言って、ごめんなさい、ありがとうございますっ。パパも、ごめんね、やな言い方しちゃって」

涙を拭きながらそう言えば、大きな手が伸びて私の頭に優しく置かれて。

「ずっと、海風はパパの最高の娘だよ、話を聞いてくれてありがとう」

パパは自分の涙も拭いながら、優しくそう言った。