あぁ、そうか。
海風は初めてなんだ。
そのことに猛烈に嬉しくなって。
もっと海風に、触って欲しいって思って欲しい。気持ちよくなって欲しいから。
早く俺のものにしたいって思っていたけれど、正直今のこの状況だけでも充分幸せを実感して。
「……海風、すげぇ可愛いよ」
「うるさいっ」
「え、褒めたのに」
顔が真っ赤なのを見れば恥ずかしがっているだけなんだとわかるから。
ツンデレだもんな。
知ってる。
「いいよ、海風が『もっと』っていうまでするから」
もっと俺を、ねだってよ。
もう、俺ばっかりじゃ、いやだから。
制服のボタンが開いたシャツから見える白い肌をさらに指で撫でると、
海風の身体が跳ねるように反応して。
どうしよう、もうなんか……。
俺、海風のこと触ってるだけでいいや、なんて思えて。