「遥琉の今の気持ちは、遥琉の考えることだから。私は無責任に色々言えない。ただ、ひとつ言えることは、私だって今、遥琉にたくさん触れたいし触れてほしいってこと」

海風はそう言いながら、俺の両肩に手を添える。

「……思っちゃうのは仕方ないけど、ごめんって声に出すのやめて」

「……っ、」

「返事は?」

心強いしどこまでもかっこいい。

海風は昔から変わらない。

そして、俺も。

意気地なしで弱虫で、そんな俺の手を海風がずっと握ってくれて。

これからもそうなんだろう、それでいいのだろうと思わせてくれる。

守りたいのに守るべきなのに、気づけばいつも海風に守られてばかりだ。

「……はい。もう言わない」

「ん。よくできましたっ」

海風はそう言って、俺の頬に唇を触れさせた。

「……なっ、?!」

「仕返しだよ……」

赤くなった顔、上目遣いでそういうから。

「……ほんと勘弁して」

静かに呟いて、今度こそ彼女をベッドに押し倒す。