「……遥琉」
海風が優しく俺を呼んだ。
「次謝ったら、もうキスするの禁止にするよ」
「はっ……」
「遥琉がバカなのも不器用なのも知ってるよ。私が知らないところで遥琉がしてきたことを、遥琉はきっと、今までの子たちにも申し訳ないとか、私にさえもそう思ってたりしてるでしょ」
「……、」
「遥琉が特定の子と付き合わなかったのは真剣な子たちをもう傷つけたくないと思ったからでしょ。その気持ちが大切じゃないの？」
海風の言葉が、ゆっくりと俺の心の中に入ってきて、刺さっていたトゲを溶かす。
でも、海風はそう言ってくれるけど、早乙女さんに言われたことも正論でそれが苦しいのは変わらない。
『そういうの、失礼だし気持ち悪いから』
いざ、深いところまで触れようとしたとき、それがチラつく。
「申し訳ないって気持ちのまま、触って欲しくない」
「……海風っ、」
「って、言えたらかっこいいんだろうけど」
「……えっ、」
ベッドに身体を預けていた海風が、身体を起こして、グッと俺に顔を近づけた。
