「あ、でも遥琉の都合とかあると思うし陽子さんたちに相談しなきゃだから、ほんと、無理しなくていいからっ」

「いや、やりたい」

「えっ、いいの?」

また嬉しそうに目を開く海風。

こいつ、無意識でその顔をやってるからほんとずるい。

基本的にツンツンしてるくせに。

だけど、付き合い始めて1ヶ月、だいぶ俺も海風も丸くなった気がする。

「うん。一応母さんたちにも聞くけど、絶対やりたい」

「ふふっ、よかった。じゃあ、陽子さんたち帰ってきたら早速私からも話しておくよ」

「あ、悪りぃ。今日母さんたち帰り遅くなるから明日俺から話しておくよ」

昨日、母さんと父さんに言われたことを思いだしてそう言う。

「そうなんだ。じゃあお願いね!陽子さんたちお出かけ?」

「うん。なんかにーちゃんが新しい洗濯機買ってあげるって言ったらしくてさ。にーちゃんの彼女も一緒に洗濯機見に行ってそのままみんなでご飯いくって」

「え、そうだったんだ」

とたんに海風の顔がしゅんとする。