「おはよう。今日ママ夜いないから、自分で何か作るか買うかしなさいよ?」

朝の11時半。

お腹が空いて、キッチンの棚にあるカップラーメンを漁っていると、

起きてきたママがそう言いながら冷蔵庫を開けてお水を取る。

「うん、わかってる〜」

「これからバイト?」

「うん」

「……海風、あんたちゃんと休めてるの?」

「えっ」

カップ麺から顔をあげるとママが少し心配そうな顔をしてこちらを見ていた。

普段、厳しくて学校のある朝は常に怒鳴りながら私のことを起こすママだから、そんな顔をされたら調子狂う。

「お金のこと、心配しないでよ。いくら若いとはいえあなたが倒れたら元も子もないんだから。朝も起きられないみたいだし。ママ、もう少し仕事増やせそうだし、それなら海風にお小遣いとか……」

「んもう〜大丈夫だって〜!朝起きられないのはバイトはじめる前からでしょ!体質!大人になっらどうせ働くんだしこういうことは早く経験してた方がいいの!」

ママのセリフを遮りながらそう言って、コンロの火をつけてやかんを沸騰させる。