「海風ちゃんに好きって言った」

「……っ、」

ついさっき、松本と話していたフードコートの同じ席で、今度は早乙女伊月が話し出す。

席に座る前に近くのキッチンカーで買ったホットドックにかぶりついたやつを凝視する。

今、海風に好きって言ったって言ったよな?

ってことは、さっきの膝枕は告白した後に行われてたものってこと……。

それって……。

「いい?俺が海風ちゃんのこと取っちゃって」

「……っ、」

いちいちそういうことを俺に聞くほど余裕があるってことなんだろう。

早乙女さんは「まぁ、俺も遥琉くんにサクラちゃん取られたからおあいこか〜」なんて言いながら、またホットドックを頬張る。

おあいこって、俺はあの人が早乙女さんの狙ってた子とは知らなかったわけだし。

てか、あの人から、俺に声かけてきたし。