嘘……。
なんで。
ホワイトベージュのヘアカラーに軽くパーマをかけたいかにもチャラ男の人。
耳たぶはキランとピアスで光ってるし。
いつも見る時より数倍チャラい。
眩しい。いろんな意味で。
なんで。
どうして。
「なんで、伊月さんがここに……」
「なんでってデートだよ!海風ちゃん俺のことわかってるでしょ〜仕事ない時は常に、ね。まさかこんなところで会えるとは!あ、海風ちゃんは?もしかしてデー……」
そう言いながら伊月さんの目線が私から私の隣へと移る。
「……えっ、嘘。……有馬 遥琉?」
最悪だ。
なんでよりによって……。
伊月さんに、遥琉といるところを見られてしまうんだ!
「……あっ」
その声は、遥琉の声だった。
うわ、その反応、もしかして遥琉も、伊月さんのこと覚えていた?!
いや、そもそも、私が聞いたのは、伊月さんが遥琉に女の子横取りされたって話をザッと聞かされただけで、
ふたりがそのあと喧嘩や言い合いになったのかとかそこまでは聞けていないし。
会話を途中で遮ったのは私だけれど。
そこらへんどうなんだろうか。



