「はぁー危なかったー。だから教室に来んなっての。あ、依茉ちゃん話合わせてくれてありがとうね!」
「ううん。疑われなくてよかったよ。『渡したそぶり見せなかった』なんて言われたらどうしようかと」
依茉ちゃんが瞬時に助け舟を出してくれて事なきを得たよ。
「てか!なんなのよあれ!有馬遥琉!放課後、話があるって!今日告白したらって言ってたタイミングでこれだよ?!もう絶対そうじゃん!」
小声ながらも興奮してそういう依茉ちゃん。
「いや、わかんない」
「え、なんで!わかるよ!」
「いや……」
「海風だってそうだったらいいのにって内心思ってるでしょ?」
「うっ、そりゃ……」
ちょっとは思うよ、ほんのちょびっと。
でも絶対あり得ないし。
なんで今更私のこと、なんて思うし。
そもそも好きな人にカバン持たせたり弁当作らせようとしたり、そんなことするかね。



