「っ、海風、この短期間でそこまで成長したのか!」

そう言いながら依茉ちゃんが目頭を抑える。

そんなおっさんみたいなポーズしなくても。

可愛い顔をしてる依茉ちゃんに似合わなすぎておかしい。

「いや、成長って大袈裟な……」

「そうでしょーが!それに、前に比べて海風の中で有馬くんが確実に大きな存在になってる証拠じゃん。今のままじゃダメだって、海風が行動しようとしてることが偉いし成長だよ!」

「うぅ……ありがとう、依茉ちゃん」

依茉ちゃんの優しい言葉が心の奥底にまで沁みる。

「それにしても……有馬くんなんなんだろうね、プレイボーイのくせにヘタレすぎない?本命にだとそうなるタイプか、萌えるな」

「依茉ちゃんすぐ妄想するのよくないよ」

「妄想って、これは分析でしょーが!」

依茉ちゃんはそう言いながらまたぶつぶつと私と遥琉の状況を声に出して整理しだす。

本命……か。

そもそも女子と見られていないと思うけど。

でも今は、自分の気持ちに嘘をつかないでいたいって気持ちの方が大きいから。