「何言ってるの!今日は海風ちゃんを招待したくて呼んだのよ!これは私の仕事なの!海風ちゃんはお客さん!さ、さ、お茶とケーキ持ってふたりで食べてらっしゃい」
陽子さんはそう言って、私と遥琉にお茶とケーキの乗ったお皿を持たせて、遥琉の部屋へと向かわせる。
そんな突然、ふたりきりにさせられても。
正直、食事を食べ終わって、リビングに陽子さんがアルバムを持ってきて広げても、私はずっと、陽子さんや詩音さんとしか話していなかったから。
遥琉の口数が急に減るんだもん。
まさか、ここに来て急に遥琉とふたりきりになるなんて。
しかも私、さっき、昔話をしながらちょいちょい子供の頃の遥琉をディスるような話をしてしまった。
つい、テンション上がっちゃって。
あれ絶対、遥琉怒ってるだろうし。
『遥琉ったら、小1のころ、学校のトイレにひとりでいけないって半ベソかきながら私のところにきて、私、仕方なく男子トイレに入って待っててあげたんですよ〜』
『あんなだったのが急にこんなスカした人になっちゃって〜』
私のそんなセリフに、陽子さんや詩音さんが笑いながらさらに乗ってくれたので、完全に、やりすぎたかも、と、今冷静になって反省する。



