「教えてもらっただけ。うわ、ハンバーガーうまそう〜!こっちのハンバーガーが一番人気なんだって。ああでもローストビーフ丼も捨てがたい……」
遥琉は、目を見開いて固まる私をよそにメニューに釘付け。
教えてもらった……なるほど。
行こうって誘われてその下見に今日連れてきたって感じか。
はいはい。
やっぱりそういうことだよね。
「海風」
「へっ」
不意に名前を呼ばれて、顔をあげる。
「だから海風は?何食べんの?」
「あぁ……ほんと、迷う」
「別々の頼もうよ、そしたらどっちも楽しめんじゃん」
そう言ってあからさまに嬉しそうにする遥琉。
もう、昔の時みたいに子供じゃないのに。
分けっこしてシェアして食べるなんて、遥琉にとって当たり前のことなんだろう。
そりゃ、小さい頃はしょっちゅうそうしていたけれど。
今は、違うよ。



