景色は本当に絶景で、太陽の光を浴びた海水が遠くでキラキラ輝いていて、幸福のため息が漏れる。
と同時に、きっと遥琉、女の子と来たんだろうなって考えも過ぎって少しモヤッとして。
だって、遥琉一人でこんなおしゃれなところ探せるわけないもん。
その根拠は何と言われたら、小さい頃の遥琉は砂を食べるような子だったからおしゃれな料理とは無縁ってことぐらいだけど。
「遥琉のおすすめは〜?」
「いや、わかんない、俺も来たことないし」
「えっ?」
てっきり女の子と来たことあるもんなんだとばかり思っていたから、びっくりして目の前の彼を凝視してしまう。
来たことないって……じゃあなんでこのお店のこと……。
女の子に誘われて一緒に来たんじゃないの?



