「悪いけど気つかってないから。これからはなんでもかんでも聞くつもり」
立ち上がった遥琉を見上げれば、コーンの一番最後の部分を口の中に放り投げていた。
食べるの早すぎだろ……。
「今まで聞けなかった分。覚悟してて」
「へっ……」
「よし、腹減った。飯」
「いや今食べ終わってよく言う……」
遥琉は、まだソフトクリームを食べてる私を置いてテクテクと歩いていく。
『今まで聞けなかった分』って……どういう意味よ。
「ねぇ、遥琉!何食べるの!アイス食べたばっかりでほんとに入るの?!いつからそんな食い意地張るようになったのさ」
背中を追いかけてシャツを引っ張れば、クルッと遥琉が振り返った。
「全然入る。余裕のよっちゃん。今なら海風のことも丸呑み」
「蛇か」
「育ち盛りの男子高校生舐めんなよ。心配ならそのアイスの残り俺が食べるけど?」
「……いや、いい」
「食い意地張ってんのそっちもじゃん。まぁ海風は昔から横綱級だけどな」
「塩ぶちまけんぞ」



