みだらなキミと、密室で。


「人がせっかく持って来てあげたんだから『ありがとう〜』って食えばいいのに。その方が可愛い」

そりゃ、遥琉が一人で食べているのを見たらそれはそれで唾飲み込みながら我慢してたかもだけど。

「……うるさいな、どうせ可愛くないですよ〜。それにお金」

「いいよこれぐらい。どんだけケチだと思われてるの俺」

「……本当にケチじゃん」

「はいはーい、早く食べないと溶けるよ」

遥琉にそう促され、私はパクッとソフトクリームのてっぺんを頬張った。

甘いクリームの滑らかな口溶け。
濃いバニラなのに後味は爽やかで。

これはいくらでも食べられちゃう!!

「……うまっ」

「うまいんじゃん」

「いやその、馬が泳いでたから」

「どんなごまかし方だよ。素直じゃないな〜」

遥琉はおかしそうにそう言ってから、アイスが溶けないうちに綺麗にどんどん食べていく。