みだらなキミと、密室で。


何だかんだ騒いで笑って疲れた私たちは、砂浜に座ってボケッと海を眺める。

お腹すいたなぁ……。

「よし、アイス食おう」

「え、アイス?」

突然立ち上がってしめったままの服から砂を落としながら立ち上がった遥琉に聞き返す。

お腹すいた、と思ったら直後のセリフだったからすこしドキリとした。もしかして遥琉ってエスパー?

「あの日も食べたじゃん」

なぜかドヤ顔でそういった遥琉は、私の有無なんて最初から聞く気なんてなかったと言わんばかりに、少し離れた海の家へと向かっていった。


「海で食べるアイス格別だよな〜」

「あの、遥琉、私食べたいなんていってないよ」

自分の手の中で渦を巻くソフトクリームを見つめながら呟く。

海の家に一人でソフトクリームを買いに行った遥琉はなぜか私の分まで買って来たのだ。

いや、お腹は空いていたけれども。

出来るだけお金使いたくないからついていかなかったのに。

なんで買ってくるかな……。

しかも遥琉のことだから倍にして請求してきそう。