「冷たっ!」
声がした方にふと視線を向けると、さっきまでここにいたはずの遥琉が、波打ち際の方に立っていてなにやら大きな声を出していた。
ん?あれって……。
遥琉の足元に目をやる。
へ?!
ちょ、、、。
ちゃっかり靴と靴下を脱いで足元浸かってるじゃん!
「何してるの遥琉!」
「気持ち〜」
スニーカーで砂浜を走るのすごい嫌なのに。
びっくりして思わず走って遥琉の近くまで来てしまった。
まったく……どんだけマイペースなのよ。
呆れてまた遥琉の前で軽くため息をつく。
「海風も脱げば?気持ちいいよ」
「やだ。海水乾いたらベタベタするもん」
「早く脱げば?」
「だから……あんた耳どうなってんのよ。私は向こうで座ってるから、飽きるまで一人で遊んでれば」
そう言って、遥琉に背中を向けて波打ち際からさらに離れようとすると────
──────グイッ



