目の前に広がるのは、うちのマンションのすぐ隣にある公園。
ブランコとジャングルジムに、大きなゾウの形をした滑り台。
高校生になってこの公園で遊ぶことはめっきりなくなってしまったけれど、
通学時に公園の前を通ると聞こえる子供たちの楽しそうな声が、私は今でも好きだ。
それにしても……自分の視線の低さになんだか違和感を覚える。
視界も少し霧がかったような感じ。
そういえば、なんで私、ここに来てるんだっけ?
ふと足元に目を向けると、キャラクターものの小さな靴が見えた。
あれ……この靴……。
っていうか、私の足、だいぶ小さくなって……。
「うみちゃん!」
えっ。
可愛らしい声がして、とっさに顔を上げたけど、あたりに人の気配はない。
「ここだよ!うみちゃん!」
まただ。
今度はその声に、胸がキューとなって。
心地良くて、懐かしい声。
キミは一体、どこにいるの。