運命の人

２０〇〇年２月１５日
朝




「おはよう、たーくん。
今日はお仕事休みだからずっと一緒にいられるね」


爽子は嬉しそうに微笑む。


「ふふっ、そんな嬉しそうな顔されるとわたしも嬉しい。
いつもは一人でご飯食べてるけど、今日はわたしがあーんして食べさせてあげるわね。
はい、あーん」


男は口を開けるが、なかなか飲み込もうとはしない。
寝起きでまだ気分ではないようだ。

それに気づいた爽子は急に顔が曇る。


「.........なんで？.....どうして？
どうして、食べてくれないの？
わたしのこと嫌いになったの？だから食べてくれないの？
たーくんの好きな、物なのに......。
まさか他の女が良くなったの？
そうなの？ねえ！！！！！！！！！」


首元を掴んで揺さぶるその姿はまさに気が狂ったようだ。