運命の人

20〇〇年2月16日





「さーわーこー先輩!
何してるんですか???」


街を歩いていると部下の男に声をかけられた。


「ああ、誠くん。
今ね、運命の人を探しているの」


にこりとも笑わずそう言う爽子。
いつも笑顔の爽子のらしかねぬ様子に誠は少しびっくりした。


「運命の、人....?
先輩!それはきっと俺です!!」


きっと彼氏とうまくいかなくて、別れたんだ!
チャンス!そう思った誠は爽子の手を握り、犬のようなうるうるとした目で見つめ、そう言った。


「誠くんが、運命の人....?」

「そうです!」


即答する誠に少し考える爽子。


「そう.....そうだったのね........。
こうなったら一緒に住まなくちゃね!!」


真顔から一変、ニコニコとした爽子は誠の手を握り返した。