俺は月に一度、第三土曜日に刑務所に見舞いに行く

今日もバイクを走らせて、いつもの場所に向かっていた

俺の事件は、俺が高校3年の時に起こった…






あれは、また梅雨に入るかはいらないかの頃………



「もしもし…」

「もしもし?緋色?わたくしですけれども…」

俺の気持ちが一気に萎える

「わたくし様ですか?」

「冗談を言っていられるのは今のうちですよ!今度の日曜、お話がありますので、帰っていただきたいわ」

「御実家に?」

「よろしく…」

ガチャンと電話を切られる

話があるだと?ババアめ、今度は何を企んでいやがる?

アニキは去年、いずれ俺が通う事になる大学を落ちている。

現在浪人生だ

ま、結局次の年も落ちるんだけど…

その事でババアが跡取りの何かを考えている事は容易に想像できた

俺は将来の夢がもう決まった

跡は継がない

調度いい…親父にもそう言おう…

そんな事を考えながら、俺は日曜に実家へと帰った。









俺の秘密が暴かれることを想像することもなく