ハッと気づくと、私は前の緋色のマンションにいた

嫌な予感がする…

テレビは楽しそうに音を出しているけど、部屋には人気が無かった

私はダイニングチェアから立ち上がると、何も入っていない食器が音を立てた

「ああ、まさか…」

思わず慌ててテレビを見ると、やはりテレビの中の登場人物達はのっぺらぼうになっていた

まただ…

「緋色!緋色!!」

どんなに大声で話をしても、誰もこない。誰もいない…

緋色…



また緋色を探しに行かないと…

私は慌てて中学まで行くと、下駄箱には緋色のネームが貼ってある

やっぱり…中学の、あの時に戻ってる

下唇を噛み締めて、私は教室まで行くとのっぺらぼうの淑ちゃんが近づいてきた

「ソウコ?ドウシタノ?」

「淑ちゃん…」

私が回りを見回しても、緋色はいない

「緋色は?」

「ヒイロ?」

トンチンカンな淑ちゃんを無視して、私は社会科室へ走った

でものっぺらぼうの上野先生が出てくるだけ…

緋色…助けて!!

私をココから出して!!

そんな事を考えていたとき、悲劇が起こった…