ロベール国内の小さな里

そこは、避暑地として有名で、暑い時期になると貴族などの高貴な方たちが涼しさを求めてやってきていた。




ロベール国とウィザリア王国の国境沿いにあるその里は、ロベール国内の無数にある1つの街にすぎない。

が、そこに住む人々は、ロベールの王族ではなく、ある家系を慕っていた。



その家系については、その里に住む者たちしか知らない超秘密事項。

言ってしまえば、その家系の者たちが彼らにとっての王族のようなもの。


里の人々は一切そのことを口外せず、表向きの避暑地として、ロベール国の人気の街だった。





それが突然終わりを告げたのは、今から10年前

穏やかな里はあっという間に見るも無残な里になってしまった…。