ざわつく会場内
"事故死したと言われていたコヴィー侯爵夫妻が生きて戻ってきた。"
本当かと疑う貴族は多く、それゆえにこういったパーティーには滅多に参加しない貴族たちも参加していた。
ジョセフ・コヴィー侯爵は博識で物腰が柔らかい貴族には珍しい人物
王族に嫌悪感を抱いている人物も、コヴィー侯爵が言うならと。
この国の平和を保つために王族の次に重要な人材といっても過言ではない人だった。
その人が生きていた。
……それに、見知らぬ女性が側にいる。
おそらくコヴィー侯爵と話したであろう人物が会場内に響くように声を上げる。
『なんと!!侯爵家の御令嬢ですか!?』
その一言で一目見ようと皆がさらにざわめく。
『養子か?』
『養子だとよ!綺麗な女だぞ!』
『本当か!?相手はいるのか?』
『いない!』
この時から、レティシア・コヴィーを誰が射止めるか、という話題は王太子妃のゆくえと共に社交界の話のタネとなった。


