刹那はベッドの側の椅子に座り涙の頭を撫でた。

「滴がきてたの?」

「うん。よくわかったね?」

「さっき見かけたからね。」

「あ、そうなの?」

「あいつ、ちょっと逞しくなったよね。」

「? そう?私にはよく分からないけど。」

「んー、まあ、分かりにくいだろうけど、逞しくなってると思うよ。」

「ふうん?そう言うのって本人に言った方がいいよ?」

「まあ、そうなんだけどね。」

「ふふっ、刹那は素直じゃないもんね?」

「うん? 涙ちゃん今何て言ったかなぁ?」

にっこりと笑いながら言う刹那だが目が全くわらっていない。

涙はヒクリと喉を振るわせてなんでもないと首を横に振った。

「そう?残念。」

ちっとも残念そうじゃない刹那に心の中で呆れて、涙は苦笑した。

「ねえ、刹那。」

「うん?」

「学校いきたいなぁ。」

「うん。涙の体調が落ち着いたらいいんだけど」

涙は今余り体調が落ち着いてるとは言えない。

と言うのも喘息の発作が落ち着いたと思ったら

不整脈の発作が出たり風邪をひいたりと

とにかく体調が落ち着いている日が少ないのだ。

「少なくとも1週間は体調が落ち着いてくれないとなぁ。」