菅野さんを、ここから救ってあげたくて。
だけど自分じゃどう頑張っても力不足で。
苦しい気持ちがあるなら、悲しい気持ちでいるなら、その全てを私が……
私が、消してあげられたらいいのに。
「ごめ……なさ、っ」
私はこんなに無力で、菅野さんを想って泣くことしかできない。
「……ばか。俺が泣かせたみたいだろ、泣くな」
───ぐいっ、
「……っ!?」
菅野さんの腕が、控えめに私を抱き寄せて……その胸の中に閉じ込める。
「って、俺が泣かせてんのか」
「……わ、私が勝手に」
「笑ってろ」
「っ、」
耳元で囁かれる言葉。
抱きしめられている体温。
バクバクと暴れる心臓は、私の?
───それとも、
「お前の、笑った顔が好きだ」
「……!!!」
抱きしめる力がギュ、と一際力強くなるのを感じながらどんどん早まる鼓動と、染まっていく頬、上昇していく体温……頭がボーッとする。


