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翌朝。



いつもよりちょっぴり早起きを頑張った。



もちろん斎宮くんに少しでも早く会うためだ。



まだ人通りの少ない廊下を歩き、二組を目指す。

そして、ドアを開け真っ先に目に飛び込むのは、私の隣の席にある見慣れた姿。



今日も腕を枕にして眠っているようだ。



……朝から寝るって、どんだけ寝不足なの。

普段ちゃんとお家で寝てる……?



自分の席にカバンを置きながら、横目でそんなことを思う。



「おーい、斎宮くーん?起きてる?」


「……」



……あれ、返事がない。

てことは、本当に寝てるのかな?



辺りをキョロキョロと見渡し、人がいないことを確認する。



そして思い切って、トントンと肩をつつく。



「斎宮くん……?ほんとに寝てるの?」


「……あ…っ?」



目を覚ましたのか、ぼやけたような声を出す。



…あっ、もしかして起こしちゃったかな……。

寝起きの斎宮くん、いっつも機嫌悪いんだよね。



そんな心配を浮かべていると、腕からほんの少し顔を上げ、ずれたメガネの奥から虚ろな目を向けていた。



「いっ、斎宮くん…どうしたの?」



なんだかいつもと様子がおかしいような……。



再び声をかけようと近づき、ハッと気がつく。



「えっ……顔、真っ赤じゃん…!」



髪の間から見える顔色は、真っ赤で。

呼吸は静かでありながらも、とても荒々しく感じた。



「だっ、大丈夫?もしかして、熱があるんじゃ……」