私はたった一人の親友を抱きしめてもう一度

伝える。

「聖菜…結婚、おめでとう。」

「ありがとう、ももちゃん。」

滲んだ視界の向こうで、同じように涙を浮か

べる聖菜。

「ももは、ブーケなんかなくても結婚するだ

ろ。」

玲悟くんは笑い合う私たちに間に入ってそう

呟く。

それって…。

「嫌でも迎えに行くから待ってろ。」

いつの間にか後ろに立っていた蓮人が私の腰

を抱き寄せて、得意げに笑った。

「蓮人さん!オレ達の結婚式に見せびらかさ

ないでくださいよ。」

「ももちゃん照れてる~!可愛い~!」

「次はももちゃんと蓮人の結婚式か。忙しく

なりそうだー!」

聖菜と玲悟くんが結婚しても、友情は変わら

ない。こんな幸せな日々を、またみんなで送

っていくんだから。