「一人暮らし!?」

ごく普通のマンションの一部屋に4人暮ら

し。

中学3年の4月、卒業を目前にして、家族に

一人暮らしを申し出た。

「ももが一人暮らしなんてできる訳ない!」

お兄ちゃんが全力で否定する。幼い頃から5

歳離れたお兄ちゃんは私に甘い。所謂溺愛

系。そんなお兄ちゃんが私は大好きなんだけ

ど。

「私ね、東京の高校に行きたいの!それで最

先端のものを学んで、やりたいこと見つけた

いの!お願いします!」

将来の夢はない。やりたいこともない。だか

ら何でも最先端で時代を作り上げる日本の中

心、東京で夢を探そうと思った。

私は中学3年生の白河ももは少し厳しいお父

さん、しっかり者のお母さん、超甘々のお兄

ちゃんと4人で、愛知県の田舎に暮らしてい

る。

そして、私の一人暮らしの件は…。

「だめに決まってるでしょ!高校卒業後なら

考えるけど。」

お母さんも反対している中で。

「じゃあ、中3最初の模試で10位以内に入

ったら認めよう。」

お父さんの言葉にお母さんは目を見開いた

が、すぐににやりと笑った。

私が、模試苦手なの知ってるから…。

絶対10位以内入ってやる!!