白雪姫に極甘な毒リンゴを


「六花のお父さんって、面白すぎだね。

 タコを1匹仕入れてきちゃうところなんて、
 六花と同じ血が流れているなって
 思っちゃったよ」


「それってどういう意味ですか……
 桃華さん……」


「六花が、天然だってことだよ」


「もう!」


 桃ちゃんと目が合って、一緒に笑った。


 唯一、冗談が言い合える桃ちゃん。


 でも、桃ちゃん、ごめんね。 


 お父さんと血がつながってないことは、
 まだ言えなくて。

 お兄ちゃんともだけど……
 


 は!!


 予想外にお父さんに抱きつかれたから、
 浴衣姿の私を見て、
 七星くんがどんな反応をしたのか、
 見られなかったよ……


 かわいいと思ってくれたかな…… 

 少しは……


 私の心の中を読む術でも使えるのか、
 桃ちゃんが七星くんにさらりと尋ねた。


「どう? 七星くん。 六花の浴衣姿は」


 なんて答えてくれるんだろう……


 ドキドキ…… ドキドキ……


「え……と……」

 うつむき気味の七星くん。


 その言葉を遮るように、
 くるみちゃんの甘い声がかぶさってきた。


「六花ちゃん、可愛いよ! とっても!
 一颯先輩も、そう思いますよね」


 七星くんの気持ちが
 知りたかったのに……


 どうせお兄ちゃんは、
 私の見た目を褒めたりなんかしないから。


 『似合ってない』とか、
 『浴衣がかわいそう』とか言うに
 決まっている。


 お兄ちゃんと目が合った。


 どうぞ、けなすなら、
 けなしてください。いつもみたいに。


 私がそう思っていた時