白雪姫に極甘な毒リンゴを


 え? 


 えぇぇぇぇぇぇぇ!!



 お……お兄ちゃんが……


 私に……感謝した??



 今日はどうした?


 やっぱり、彼女でもできた??


 いつも、
 悪魔みたいに嫌味ばっかりのお兄ちゃんが、
 顔を赤らめている姿が……

 か……かわいい!!


 でも、私はどうしたらいい?

 
 1、笑顔で『嬉しい』って伝える。


 2、いつものノリで、
   『お兄ちゃん、キモイ』と言い放つ。


 3、『彼女でもできた?』と聞いてみる。



 さあ六花……どれを選ぶ?


 私は亀くらい小さい脳みそで、
 一生懸命考えた。


 そして、口を開いた。


「ありがとうって言ってもらえると……

 嬉しい……」



 お兄ちゃんの瞳を見つめて、
 控えめに微笑んでみた。


 だって、照れくさいんだもん。


 それなのに……


「六花…… 
 俺、もうご飯いらねぇ」


 まだ、
 オムライスは半分以上も残っているのに、
 お兄ちゃんはムスッとした表情で、
 二階に駆けあがって行ってしまった。


 なんで急に怒り出した?


 いつもみたいに、
 『お兄ちゃん、キモイ』って
 言った方が、良かったのかな……