白雪姫に極甘な毒リンゴを


 ひょこり。


 ドアから、ちょこっとだけ顔を出し、
 お兄ちゃんを確認。


 なに? 


 不気味な笑顔を
 浮かべているんですけど……


 機嫌は悪くなさそうだけど。


 なにか嬉しすぎることが
 あったみたいな笑顔が逆に怖すぎる……


 お兄ちゃん…… 
 彼女でも、できたのかな?
 

 そうだったらラッキーかも!


 誰かを好きになってくれれば、
 きっと私への対応も
 丸くなってくれると思うから。


 今しかない!


 お兄ちゃんに言うのは今しかない!



 私は瞳を閉じて、
 ゆっくり深呼吸をして
 お兄ちゃんに声を掛けた。