「そ……そんなことないよ……
私なんかが……誰かを好きになるなんて……
身のほど知らずっていうか……」
「もう、そんなごまかさなくても。
六花を見ていたら、すぐにわかったよ」
「え?」
確かに私は、
小5の時から七星くんのことが好き。
だけど……
「六花って、私のこと好きでしょ?」
「え? 桃ちゃんのこと?
もちろん大好きだよ」
「六花が七星くんを見る瞳の輝きが、
私を見るときと
一緒だなって思っていたんだ。
だから、他の人には気づかれてないと思うよ」
「本当は……
桃ちゃんには、きちんと話しておかなきゃって
思っていたんだけど……
私なんかが男の子を好きになること自体、
恥ずかしいなって思っちゃって……」
「その口癖、やめなよね。
『わたしなんて』って。
一颯先輩にひどいこと言われているけど、
六花はものすごく可愛いよ。
色白だし、目だってハムスターみたいに
真ん丸で、ウルウルしていて。
磨けば絶対に光るのに、もったいないよ」
「ももちゃ~ん」
「ホント六花は、
ムササビみたいでカワイイんだから。
よしよし」
桃ちゃんはペットをかわいがるように、
私の頭をなでなでしてくれた。



