白雪姫に極甘な毒リンゴを



 お兄ちゃんたち、
 どこに行っちゃったかな……


 クルミちゃんと幸せそうな七星くんを
 見るのが辛くて、
 何も考えずに逃げ出しちゃったけど、
 そのせいでお兄ちゃんたちとはぐれちゃった。


 とりあえず、
 道路の隅に立って空を見上げた。


 ヒュ~という音とともに
 打ち上げられた花火。


 真っ暗な空で大輪の花を咲かせ、
 パチパチパチと消えていく。


 私の思いも、
 あの花火とともに消し去ってくれないかな?


 小5から思い続けた、七星くんへの思い。


 丸い玉に火薬と一緒に詰め込むから、
 今すぐ空に打ち上げて欲しい。


 花火となって、空に消えていって欲しい。


 そしたらきっと、
 こんな辛い思いをしなくてすむよね。


 瞳に滴をいっぱいためて、
 空を見上げていると、
 急に横から話しかけられた。


「これ……食べますか?」


 え?


 差し出されたのは


 リンゴ飴。


 その艶やかなリンゴの向こう側に、
 私と同い年くらいの男の子が立っていた。


 うつむいていて、顔がよくわからない。


「え……と……」


 なんて返事をしたらいいか戸惑う私に、
 うつむいたまま話し出した。