「泣いたら·····っ負けだ·····」



溢 あふれ出す涙は留まることを知らずに、雨のように流れ落ちる。



その時、テレビから耳を塞ぎたくなるほどの大きな歓声が聞こえてきた。



「うるっさ······」



人がこんなに悲しんでいるのにいいご身分だな、なんて捻くれたことを思ってしまう私は救いようがない人間だろうか。



しかしそれでもつい反応してしまうのが人間の性さが。



私は反射的にテレビに目線を移した。



「Emperor·····?」



そこに映っていたのは、まるで魔法の国の王子様みたいな美少年たちの姿。



その中でも、天使の羽のような汚れのないホワイトの髪を揺らしていた少年に目を奪われた。



誰もが目を惹き付けられるほど眩しい少年。



人を思わず笑顔にさせるようなキラキラスマイル。



「······好きだ、この人。」