「ダンス審査って·····俺別に得意じゃねぇし。」

「そんなことないよ!シュウちゃんのダンスキレっキレだよ!」

「体力馬鹿なだけでしょ。」

「この野郎··········」



相当頭にきたみたいだけど、拳を震わせるだけで手を出そうとはしない。



それもそのはず、殴ったらもれなく東くんの腹パンが返ってくる。



気絶するほどの痛みって一体··········



「·····んじゃとりあえず適当に曲かけるから思ったように動いてみろ。」

「好きなようにって·····」



弱音を吐く私に有無を言わさず、スピーカーから音楽が流れ始めた。


··········この曲聞き覚えがある。



「これは·····」



Emperorのデビュー曲。



何百回と聞いたからリズムは体に染み込んでいる。



そう思うと気持ちが軽くなって無意識に体が動き出した。