「何泣かせてるのお兄ちゃん·····?」

「ごめんって!」



私の気迫に押されてすぐに怯んだお兄ちゃん。チョロいな。



私に下手なことを言うとまずいと思ったのか、怒りの矛先はまたも伊織くんに。



「くっ·····伊織!ニヤニヤしてんじゃねぇ!」

「してないよ〜。千尋くんったらすぐ僕のせいにして··········。沙那ちゃん、助けて〜!」



近くで助けを求める声が聞こえたかと思うと、伊織くんが首にを回して抱きついてきた。



やばい。私、今日命日かもしれない。



「くっそ·····顔が可愛いからって人をおちょくりやがって··········っ」

「おちょくってないよーだ。」



あっかんべーっと舌を出したあと、くるっと私の方にキュートな顔を戻した。



「ねぇ沙那ちゃん、身体触ってもいい?」