「んっ······」



······ここは?なんで寝てたんだっけ。



······ああそうだ。事務所に来て、そこにお兄ちゃんがいて、千歳くんがいて······



ん?千歳くんがいて?



「うえええええ!?」

「あ、起きた?」



驚きすぎて言葉も出ない私を、千歳くんは何食わぬ顔でベット脇の椅子に腰かけながら見つめている。



······いる。本当にいる。



「し、失礼します。」



目の前にある光景が現実か夢かを確かめるべく、そーっと手を伸ばして千歳くんの頬に触れた。



じわじわと千歳くんの体温が手のひら越しに伝わってくる。



「ほ、本物だ······!」



なんだか嬉しくなって、千歳くんの頬を挟むようにぺたぺたと触ってもう一度確認。



夢見心地のまま感動に浸っていると、突然手首を掴まれた。