「ちーちゃんったら、あなたを通過させなきゃグランプリの審査員を辞退する〜なんて言い出すのよ!」

「······それってアリなんですか?」



通過させてもらえるのはありがたいんだけど······



なんてグレーゾーンなことをしてくれるんだ!!不正とかで警察に捕まったりしないよね!?



「しょうがないじゃない。そうしないとやってくれないって言うんだから。」

「······審査員を任せるなんて、すこく強い信頼関係があるんですね。」

「そういう訳じゃないわよ。この事務所の2大看板は、CHIHIROとEmperorだから、いてもらわなくちゃ困るって話。」



んん?"CHIHIRO"······?もしや······



「お兄ちゃんもこの事務所に!?」

「あら。CHIHIROを知らない子なんてこの世にいたのね。今どきのJKはみんな知ってるものだと思ってたわ。」



悪かったですね今どきのJKじゃなくて!バイトとレッスンでテレビなんて見てる暇ないんです!!



電気代バカにならないし!!



「そうだぞ沙那〜!俺は俳優としてここの事務所にいるってわけだ!」



そう言ってまたいやらしく腰に手を回してきたので即みぞおちチョップ。



「うっ·····」

「千尋さんは学ばないね·····」



そう言って困った笑みを浮かべる大天使千歳くん。



ああ、千歳くんがお兄ちゃんならどんなに幸せだったことか·····!