「ぐへ」



我ながら女子力のない声だと思う·····なんて言ってる場合じゃなくて!!



「ちょっ、なんなんですかあな······!」



私が言おうとした言葉は、唇に人差し指を当てられていとも簡単に抑え込まれてしまった。



言葉がダメなら睨みつければいいじゃないか、と安易な考えで犯人を見る。



しかし犯人は深いフードを被っていて全く顔が見えない。



こっちは素顔っていうのに·····まったくフェアじゃない!



殺されるんじゃないかと若干ビビりながらも、とりあえず犯人を睨んでみる。



すると、顔が見えないはずの犯人が次第にハァハァと息を荒らげ、その熱い吐息が私の顔にかかり始める。



それを機にようやく私の防衛本能が遅すぎる危険信号を出した。。



「んー!!んー!!!!!」



こんなところで殺されてたまるか!と死に際の抵抗で必死に体を揺する。



そんな私の必死の抵抗に犯人も困惑気味······っぽい?



いけ!!このまま押して逃げろ私!!



「しっ、ちょっと静かにして。」



······ん?この声聞き覚えがあるような。



しかし身の危険を感じた体はその勢いが留まることを知らない。



そしてとうとう私が暴れ回った衝撃で、犯人のフードがはらりと脱げた。



ふふふ·····私を連れ込むようなとんだ物好きの顔を拝んでやろう!



意気揚々とその顔を待ちわびていると、次の瞬間目の前の光景に言葉を失った。