「嘘、ちーちゃん!?」



尚さんの知り合い·····?·····ああ、あとちょっとで顔が見え·····



「「あ」」



その男の人と目が会った瞬間、私は思わず絶句した。



それは向こうも同じようで、間抜けな顔をしてこちらを見つめている。




ストレートな黒髪、落ち着いた声色·····そしてこの無駄に整った顔は·····




「嘘、でしょ·····。」

「··········久しぶり、沙那。」

「え、知り合い?」



尚さんが不思議そうな顔で私の顔を覗き込む。



「知り合いといいますか··········」



私がそう言いかけると、物凄い勢いで飛び込んくる目の前の男。



「沙那〜!!お兄ちゃん寂しかったぞ〜!!」

「ぐえっ」



抱擁力強すぎて潰れるわ!!



「な"お"ざん·····だずげ·····」

「ち、ちーちゃん!Arrêter!(ストップ!)」

「何すんだよナオ!あー!というかお前携帯変えたろ!全然連絡つかないし!」

「·····まあその、いろいろあってね·····」



なんかモヤモヤするな··········



"ちーちゃん"ってどこかで聞いたことあるような··········



はっ·····!もしかして·····!!



「あの、尚さんの親友さんっていうのは··········」